2014年12月10日

金子 勝(経済学者)×武本 俊彦(食と農の政策アナリスト) なぜ農業は儲かるのか?

※このトークセッションの配信は終了しました。

2014/11/19収録
金子 勝/武本 俊彦『儲かる農業論 エネルギー兼業農家のすすめ』(集英社新書)刊行記念

金子 勝(経済学者)
武本 俊彦(食と農の政策アナリスト)

農業は「儲からない産業」と言われています。
そこに追い討ちをかけるようにTPP交渉が政府主導で進行中。
これに対抗するためには大規模集約化するしかないと思われていますが、実は小規模兼業農家こそ生き残る可能性が高いのです。
なぜ「小規模」なのか? そして何を「兼業」するのか?
日本の農業の未来を、経済学者・金子 勝氏と食と農の政策アナリスト・武本俊彦氏が語り尽くします。

二人は、これからの農業を担うのは大企業ではなく地域に根ざした個人であると断言。つまり誰にでも可能性が開かれているのです。
脱原発などにも言及しますので、農業に関心のある方だけでなく、電力問題に興味のある方もぜひご覧ください。

金子勝(かねこまさる)
経済学者。1952年東京都生まれ。慶応大学経済学部教授。
専門は財政学、制度経済学、地方財政論。

武本俊彦(たけもととしひこ)
食と農の政策アナリスト。1952年東京都生まれ。
1976年農林省入省。2011年農林水産政策研究所長。

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2014年12月09日

小松英雄(日本語学者) 内外の専門学者が気づいていない日本語運用の巧妙なメカニズム

※このトークセッションの配信は終了しました。

2014/11/15収録

小松英雄(日本語学者)

○日本語に清音と濁音との二項対立があることは日本人にとって当然のことなので、それが世界で唯一のすばらしい運用システムであることに気づいていないし、どこの言語にもない現象であるために、外国人の学者は自国の言語の音韻体系のなかにある音に当てはめて理解してしまい、日本語にそういう珍しい対立があることを見逃している。
○古典文法で《係り結び》とよばれている現象も日本語だけにしかないために、外国の言語学者に干渉されることなく、また、学校教育でも国語学者が取り違えた機能を教えて学習者を苦しめている。
○音便や連濁についても同様である。
○悪い意味で日本独特である古典文法や、古典文学作品の浅薄きわまる解釈の横行は、専門学者がテクストをきちんと読まずにつまみ食いして論を立てていることに起因している、《読まないから読めない、読めないから読まない》の悪循環を断ち切って、正統の手順を踏んだ研究成果を世に送ることが研究者に課せられた任務である。
○以上のことを、実例をあげて、また、用語についても、わかりやすく説明する。
※本トークセッションは、小松英雄『日本語を動的にとらえる ことばは使い手が進化させる』(笠間書院、2014年11月)刊行記念として行ったものです。

【講師紹介】
小松英雄(こまつ・ひでお)
1929年生まれ。筑波大学名誉教授。日本語学者。
著書に、国語史学基礎論(笠間書院)、いろはうた(中公新書)、徒然草抜書(講談社学術文庫)、やまとうた(講談社)、仮名文の構文原理(笠間書院)、日本語書記史原論(笠間書院)、日本語はなぜ変化するか(笠間書院)、日本語の歴史 青信号はなぜアオなのか(笠間書院)、古典再入門 「土左日記」を入りぐちにして(笠間書院)、丁寧に読む古典(笠間書院)、伊勢物語の表現を掘り起こす 《あづまくだり》の起承転結(笠間書院)、平安古筆を読み解く 散らし書きの再発見(二玄社)、等がある。

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2014年12月05日

田中 功起×清水 知子 『必然的にばらばらなものが生まれてくる』(武蔵野美術大学出版局)刊行記念 トークセッション

※このトークセッションの配信は終了しました。

2014/11/25収録

田中 功起(著者・現代美術家)
清水 知子(筑波大学大学院准教授(比較文学・文化理論))

 第55回ヴェネチア・ビエンナーレ(2013)日本館代表アーティストとして特別表彰を受賞した田中功起さんと、筑波大学大学院准教授で比較文学・文化研究者の清水知子さんによるトークセッションです。
 はじまりは、「清水知子さんと、アートの公共性/社会の中でのアートというテーマで話したい」という田中さんのひとことでした。清水さんはスラヴォイ・ジジェクやアントニオ・ネグリなどの文化理論や、英国現代文化、アニメーション等の現代文化比較研究を専門とし、『文化と暴力―揺曳するユニオンジャック』(月曜社)を昨年上梓されました。〈サッチャー政権以後の「社会のない社会」と呼ばれた時代を、人びとはどのように生き、そこから何を生み出したのか〉。
これは『文化と暴力―揺曳するユニオンジャック』の帯文です。
 田中さんは、根源的な制度への疑いは一貫し、その一貫性を保とうとすれば必然的にばらばらなものが生まれてくる(本書259頁)と言います。
 田中さんと清水さんのトークセッションは、平熱で沸騰するような刺激的な時間となるでしょう。


【講師紹介】
●田中功起(たなか・こおき)
2000年、東京造形大学美術科絵画専攻卒。2005年、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。ロサンゼルス在住。田中功起は日常のシンプルな行為に潜在する文脈を、映像やパフォーマンスを通じて、視覚化、分節化する実践を試みる。
第55回ヴェネチア・ビエンナーレ特別表彰を受賞した日本館展示「抽象的に話すこと―不確かなものの共有とコレクティブ・アクト」もまた日常性から東日本大震災を問うものだった。同国際展以降も、『映画をめぐる美術―マルセル・ブロータースから始める』(京都国立近代美術館、東京国立近代美術館)やフリーズ・ニューヨークのプロジェクツのほか、ロンドンの現代美術センター(ICA)で開催中の企画展『Journal』、ファン・アッベ市立美術館(アイントホーフェン)で開催中の企画展『Positions-Five projects in dialogue』への参加と活動の幅を広げている。
 また、Art Review Asiaへのインタビュー掲載時にテキストを用いた「インポッシブル・プロジェクト」を誌上およびインターネット上で展開するなど、従来の物理的な展示空間に限定されない活動も積極的に行なっている。2014年7月5日ドイツ銀行グループの「アーティスト・オブ・ザ・イヤー2015」に選出されたが、それは、現在の美的および政治的な試みにおける重要な問題のひとつである「共同体の形成」に対する独創的なアプローチが評価されたもので、来年3月からベルリンのクンストハレで個展が開催される。

●清水知子(しみず・ともこ)
2001年、筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科修了。博士(文学)。現在、筑波大学大学院准教授。専門は、比較文学・文化理論、メディア文化論。『文化と暴力―揺曳するユニオンジャック』(月曜社、2013年)共著に『ドゥルーズ/ガタリの現在』(平凡社、2008年)ほか。訳書にデイヴィッド・ライアン『9・11以後の監視』(明石書店、2004年)、スラヴォイ・ジジェク『ジジェク自身によるジジェク』(河出書房新社、2005年)、ジュディス・バトラー『自分自身を説明すること』(共訳、月曜社、2008年)、同『権力の心的な生』(共訳、月曜社、2012年)、ネグリ+ハート『叛逆―マルチチュードの民主主義宣言』(共訳、NHKブックス、2013年)ほか。

posted by junkudo at 13:08| トークセッション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする