2015年02月25日

伊沢紘生(宮城教育大学名誉教授・宮城のサル調査会会長) 新世界ザル―アマゾンの熱帯雨林に野生の生きざまを追う―


2015/2/13収録

伊沢紘生(宮城教育大学名誉教授・宮城のサル調査会会長)

1960年代に入ってから、世界の霊長類学者の注目はチンパンジーやゴリラなどアフリカの大型類人猿に集中していました。かくいう伊沢先生も恩師伊谷純一郎先生とともにアフリカの原野で5年間チンパンジーを追っていました。
しかし、その後伊沢先生はかれら大型類人猿に別れを告げて、南米の広大な熱帯雨林で新世界ザルの調査を開始します。
携帯するのはフィールドノートとボールペンと双眼鏡のみ。
そしてそこに暮らす人々との親密なかかわり――伊沢先生は徹底したフィールドワークを長期間にわたって行いました。そこにはあらゆる野生動物研究の原点があります。さまざまな科学機器が発達した現代においても、その重要性にまったく変わるところがありません。
この本は、そのようなフィールドワークのあり方の精魂込めた記録でもあります。
孤高のフィールドワーカー――伊沢紘生。
熱帯雨林の樹上ですみわけを通して進化した新世界ザルの生きざまをはじめ、壮大なアマゾンの動物たちと熱帯雨林の物語を熱く語っていただきます。

【講師紹介】
伊沢紘生(いざわ・こうせい)
1939年、東京都に生まれる。1963年、京都大学理学部動物学科卒業。
1968年、京都大学大学院理学研究科博士課程修了。財団法人日本モンキーセンター研究員、宮城教育大学教育学部教授、宮城教育大学環境教育実践研究センター教授、帝京科学大学生命環境学部教授などを経て、現在、宮城教育大学名誉教授、NPO法人ニホンザルフィールドステーション理事長、NGO宮城のサル調査会会長、理学博士。著書は『さよならブルーシ』(1975年、日本放送出版協会)、『ニホンザルの生態――豪雪の白山に野生を問う』(1982年、どうぶつ社)、『ニホンザルの山』(2009年、フレーベル館)ほか多数。

[メッセージ]
日本では主に青森県下北半島と宮城県金華山、石川県白山山域で野生ニホンザルを50年以上追い続け、同時進行で、アマゾンの熱帯雨林で幾種類もの新世界ザルを30年余にわたって調査してきた。いずれのフィールドも生物多様性に富み、知的刺激に満ち溢れていて、かれらサルやサルたちを取り巻く自然から多くのことを教わった。
そのうちでも最たるものは、自然界を律する「競争の裏側の論理」と、自然界を構成する生物種すべてが持つ「種の誇り」である。私の大自然行脚にはおそらく終りがないだろう。



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2015年02月24日

富安 健一郎×橋本 善久 コンセプトアートとエンターテインメントの未来像


2015/1/31収録

エムディエヌコーポレーション刊
富安 健一郎、上野 拡覚、ヤップ・クン・ロン著
『ファンタジーの世界観を描く コンセプトアーティストの創るゲームの舞台、その発想と技法』刊行記念トークセッション

富安 健一郎(著者、INEI代表 コンセプトアーティスト)
橋本 善久(元スクウェア・エニックスCTO、現 INEI執行役員プロデューサー)

コンセプトアートとは、映画やゲーム、CM、アニメーションなどで使用するイラストレーション。作品の世界観やデザインを統一し、ぶれのない強固な企画とするため、企画初期から終盤まで使われるビジュアル資料です。本書の著者陣を擁する株式会社INEIは、世界最高水準のコンセプトアートを提供するスペシャリストの会社です。ゲーム『ドラゴンクエストX オンライン』『ファイナルファンタジーXI』『メタルギア ライジング リベンジェンス』やアニメ映画『キャプテンハーロック』など有名作品を手がけていることで知られています。本トークセッションでは、INEIのコンセプトアーティスト富安健一郎氏と今年からINEI執行役員に就任した元スクウェア・エニックスCTOの橋本善久氏をお招きし、エンターテインメントの未来像について考えていただきます。 業界関係者の方はもちろん、絵に関わるすべての方が楽しめるセッションです。

【講師紹介】
●富安 健一郎(とみやす けんいちろう)
株式会社INEI代表取締役、コンセプトアーティスト。国内外の映画やゲーム、CMなどのコンセプトアートを手がける。INEIは、国境に関係なく、世界中で仕事のできる会社を目指し活動中。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科インダストリアルデザインコース卒。絵の描き方を動画で実際に描きながらていねいに解説しているチュートリアルビデオをGumroadで販売中。代表作に『キャプテンハーロック』『ドラゴンクエストXオンライン』『ファイナルファンタジーXI アドゥリンの魔境』『メタルギア ライジング リベンジェンス』『バイオハザードダムネーション』『アスラズ ラース』など。
株式会社INEI:http://ineistudio.com

●橋本善久(はしもと よしひさ)
1973 年愛知県生まれ。東京大学工学部卒業後、株式会社セガでプログラマやゲームディレクターとして家庭用ゲームソフト開発に従事。その後株式会社スクウェア・エニックスのCTO/R&D部門長として全社技術の推進、開発マネジメントの改善、技術者採用促進と育成等に努める。2014年春より独立し、リブゼント・イノベーションズ株式会社を設立。2014年12月より、ライフイズテック株式会社執行役員CTOを兼務。2015年1月より株式会社INEI執行役員プロデューサーを兼務。代表作は『ソニック・ワールドアドベンチャー』(セガ/ゲームディレクター兼技術ディレクター)、『Agni’sPhilosophy - FINAL FANTASY RealtimeTechDemo』(スクウェア・エニックス/プロデューサー兼コンテンツディレクター兼技術ディレクター)、『FINAL FANTASY XIV新生エオルゼア』(スクウェア・エニックス/技術ディレクター)など。



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2015年02月17日

ひきちガーデンサービス 曳地トシ+曳地義治(著者)× 石田郷子(俳人) オーガニック・ガーデン 句会ライブ


2015/1/23収録

『二十四節気で楽しむ庭仕事』(築地書館)刊行記念

ひきちガーデンサービス
曳地 トシ+曳地 義治(著者)
石田 郷子(俳人)

五・七・五の十七音・季語を通して見ると、庭仕事も、庭の生き物たちも、自然も、日々の暮らしも、輝きを増すから、あら不思議!

無農薬・無化学肥料で個人庭専門に庭づくりをするオーガニック植木屋夫婦が、ひょんなことから俳句に出会ったら、これまで見慣れていたものたちが、生き生きと立ち現われた。
俳句歴3年の著者夫婦が、俳句の師匠、石田郷子氏と、本書の中の自作俳句を素材に、俳句、庭仕事、庭の生き物たち、日々の暮らしについて、語りつくす即興句会ライブ。
興が乗ったら、会場からも飛び入りOK!
身近な自然に触れる楽しみが広がること請け合いです。

【講師紹介】
●ひきちガーデンサービス 夫婦ふたりで、個人庭を専門に、農薬を使わない病害虫対策を実践するなど、自然環境に配慮した庭づくりとメンテナンスを行っている。本物の素材を生かし、安全で使いやすい庭、バリアフリーガーデン、自然の恵みを利用した循環型の庭づくりなどを地域の中で提案、実践している。

●曳地 トシ(ひきち とし)
1958年、神奈川県真鶴町生まれ。植木屋のおかみ業にもかかわらず「高い所、泥汚れ、虫」が三大苦だったが、無謀にも現場に出た
ところ、虫をはじめとする庭の生き物たちの虜になり、今に至る。NPO法人日本オーガニック・ガーデン協会代表理事。

●曳地 義治(ひきち よしはる) 1956年、東京都立川市生まれ。子どものころは暇さえあれば、鉛筆で広告の裏に絵を描いていた。木工業、ログビルダーなどを経て、植木職人となる。
●石田 郷子(いしだ きょうこ)
1958年、東京都生まれ。1986年、山田みづえに師事し俳句を始める。1997年、第一句集『秋の顔』で、第20回俳人協会新人賞を受賞。2004年「椋」を創刊、代表。俳人協会会員。日本文藝家協会会員。



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2015年02月06日

港 千尋 × 金子 遊 ×東 志保  マルチメディア・アーティストとしてのクリス・マルケル


2015/1/15収録

『クリス・マルケル 遊動と闘争のシネアスト』(森話社)刊行記念トーク&レクチャー

港 千尋 (写真家・多摩美術大学教授)
金子 遊 (批評家・映像作家)
東 志保 (映像研究)

スチル写真で構成された近未来SF映画『ラ・ジュテ』(1962)や、八〇年代日本の霊性を捉えた『サン・ソレイユ』(1982)、J=L・ゴダール、アラン・レネらとの共闘など、ヌーヴェル・ヴァーグの映画作家として知られるクリス・マルケルは、映画に留まることなく、写真、文学、メディア・アート、インスタレーション、アクティヴィズムなどさまざまなメディアを横断してきた。

2012年の死後、2013年のポンピドゥー・センターでの大回顧展を皮切りに、山形ドキュメンタリー映画祭での特集上映、2014年ロンドン、ホワイトチャペル・ギャラリーでの回顧展など、その多岐にわたる活動が見直されようとしている。

本邦初となるクリス・マルケル論集『クリス・マルケル 遊動と闘争のシネアスト』(森話社)の刊行を記念して、このトークイベントでは、本書の監修を務めた写真家・港千尋、編者である批評家、映像作家の金子遊と、映像研究者の東志保の三氏をお招きして、これまで日本ではあまり語られることのなかった、クリス・マルケルのマルチメディア・アーティストとしての活動について、各氏が持ち寄る貴重な資料を見せながら、その多岐にわたる創作の謎に迫るトーク&レクチャーイベント。


港 千尋(みなと・ちひろ)
写真家、多摩美術大学情報デザイン学科教授。
『芸術回帰論』(平凡社、2012年)、『革命のつくり方』(インスクリプト、2014年)。

金子 遊(かねこ・ゆう)
批評家、映像作家。慶應義塾大学環境情報学部非常勤講師。映像研究、民族誌学。
『フィルムメーカーズ 個人映画のつくり方』(編著、アーツアンドクラフツ、2011年)、『アジア映画で〈世界〉を見る』(共著、作品社、2013年)。

東 志保(あずま・しほ)
パリ第三大学映画視聴覚研究科博士課程在籍。映像研究、比較文化論。
「クリス・マルケルのOuvroirにみられる戦争の記憶」(『年報カルチュラル・スタディーズ』第1号、カルチュラル・スタディーズ学会、2013年)、博士論文「開かれた都市──クリス・マルケルの都市イメージにおける遊歩について」を提出済。



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2015年02月02日

北里 洋((独)海洋研究開発機構東日本海洋生態系変動解析プロジェクトチームプロジェクト長) <深海、もうひとつの宇宙>


2015/1/7収録

『深海、もうひとつの宇宙――しんかい6500が見た生命誕生の現場』(岩波書店)刊行記念

北里 洋((独)海洋研究開発機構東日本海洋生態系変動解析プロジェクトチームプロジェクト長)

「『しんかい6500』、伝説のアトランティス大陸の痕跡を発見か?」
 2013年5月上旬、メディアを騒がせたニュースを覚えていますか。この「発見者」が、『深海、もうひとつの宇宙――しんかい6500が見た生命誕生の現場』刊行を記念してトークイベントを行いました。
 (独)海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、2013年に潜水調査船「しんかい6500」による1年がかりの研究航海を行いました。太平洋、インド洋、大西洋(カリブ海)の生態系の、地球的規模の調査・研究です。本はその記録です。
深海には400℃を超える熱水、メタン・硫化水素を含む湧水、1万mを超える超深海海溝域などの極限的な世界が広がり、それぞれの場所に適応して特殊な機能をもつ「常識はずれ」の生物が生息していました。それは、ホネクイハナムシや巨大ヨコエビだけではありません。
北里さんは、地球に残された最後のフロンティアで何を感じたのでしょう。本では語れなかった、血湧き肉躍る冒険と数々の発見の裏話を、スライドやビデオをお見せしながらお伝えします。

《北里洋(きたざと・ひろし)》
1948年東京都生まれ.1976年東北大学大学院理学研究科博士課程修了.静岡大学理学部教授,(独)海洋研究開発機構 海洋・極限環境生物圏領域 領域長などを経て,現在,同機構東日本海洋生態系変動解析プロジェクトチームプロジェクト長.専門は地質学,地球生命科学,深海生物学,海洋微古生物学.2010年日本古生物学会賞(横山賞)受賞.著書に『日本の海はなぜ豊かなのか』(岩波書店),共編著書に『地球の進化・生命の進化』(裳華房),『古生物の総説・分類』(朝倉書店),『地球生物学』(東京大学出版会),『古生物学事典(第2版)』(朝倉書店)などがある.趣味は音楽鑑賞。




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