★2010年12月11日(土) @ジュンク堂書店池袋本店
レーモンドの失われた建築
三沢 浩(建築家)

アントニン・レーモンドを知っていますか?
1919年フランク・ロイド・ライトとともに帝国ホテル建設のために来日、以降半世紀にわたり「日本のモダニズム」確立に力を注いだ建築家である。近年、「寮・体育館」の保存運動で話題になった東京女子大学総合計画は初期の仕事であり、有名な「リーダイ論争」を巻き起こしたリーダーズ・ダイジェスト社は、アメリカ占領下に
皇居前に建てられ、注目された。
また日本初のRC造打放し「霊南坂の自邸」と日本的住まいの実践「麻布笄町の自邸」の
戦前・戦後を代表する2つの住宅も賞賛された。だがそれらを初め、傑作といわれた
数多くのレーモンドの建物は今はない。「僅かな記憶の索引と体験を手掛かりに書き残しておかなければ、
レーモンドの足跡自体が見えなくなってしまう」との思いのもとに本書は編まれた。
著者の手元にある大量の写真・図版を会場で一緒に見ながら、
レーモンドが日本でどんな仕事をしてきたのか、歴史をたどりながら考えてみませんか!
◆講師紹介◆
三沢 浩(みさわひろし)
1955年東京芸術大学卒業後、レーモンド建築設計事務所勤務。1991年三沢建築研究所設立。
主な作品吉祥寺レンガ館モール、深大寺仲見世モール・水車館、柴又寅さん記念館、
上野中央通りシンボルロード他。主な著書『アントニン・レーモンドの建築』(鹿島出版会)、
『A・レーモンドの住宅物語』(建築資料研究社)、『フランク・ロイド・ライト入門 その空間づくり四十八手』(王国社)。主な訳書『自伝アントニン・レーモンド』(鹿島出版会)。
最新刊は、『レーモンド失われた建築』(王国社)。