篠原雅武『空間のために』(以文社)刊行記念
空間を語る言葉
― 震災・スラム・都市 ―
篠原雅武(大学非常勤講師、著述家)×日埜直彦(建築家)
■2011年7月1日(金)19:00〜@ジュンク堂書店新宿店
3・11以降、私たちに否応なく突き付けられた様々な問題のなかでも、「空間」をめぐる問いは、被災地の現状や復興への道程、そして放射性物質の広範囲にわたる拡散という問題を眼差す上で、大変重要な概念の一つとして浮上しつつある。一方で、実は3・11以前から、世界を席巻した新自由主義政策の負の遺産として、世界の各地で「スラム」と呼ばれる場所 −つまり空間が「荒廃化」した場所− が急増し、世界的にはすでに大きな問題となっていた。こうした場所は、局所的とはいえ、日本でもすでに現れつつあったが、今回の未曾有の事態の到来で、より切迫した〈現実〉としてついに顕在化したと言えるだろう。
この「スラム」という問題系にいち早く反応し、先日『空間のために』と題した本を上梓した篠原雅武氏と、建築家で批評家でもある日埜直彦氏による根源的な「空間」をめぐる対話。今後私たちは「空間」という言葉をいかに〈現実〉と対峙させ、「空間」を問題化し、構築すべきなのか。
講師紹介(五〇音順)
篠原雅武(しのはら・まさたけ)
1975年生。都市論・政治理論。京都大学博士(人間・環境学)。現在、大学非常勤講師。著書に、『公共空間の政治理論』(人文書院、2007年)『空間のために』(以文社、2011年)。共訳書に、M・デイヴィス『スラムの惑星』(明石書店、2010年)ほか
日埜直彦(ひの・なおひこ)
1971年生 日埜建築設計事務所主宰。建築家。都市に関する国際巡回展Struggling Cities展を企画。現在、世界巡回中。