
2014/7/19収録
『読書の歴史を問う 書物と読者の近代』(笠間書院)刊行記念トークセッション
和田敦彦(早稲田大学教授)
大橋崇行(作家、岐阜工業高等専門学校助教)
書物がそこにあるということ、そして読者に届くということは、実は一つの驚きである。
そしてそれは調べ、考えるべき問いでもあるのだ。例えば、インターネット時代、読書の「いま」はどうなっているのだろうか。実は「昔」の読書を探ると、そこには多くのヒントや、考えるべき問いも溢れ出してくる。
本セッションでは、読者、あるいは読書の歴史をどうやって調べ、学んでいけばよいのか、何のためにそれを学び、そこからどういうことが分かるのかを、著者と、気鋭の作家であり、国文学研究者(明治文学)の大橋崇行氏とともに探っていきます。
【講師紹介】
和田敦彦
早稲田大学教育・総合科学学術院教授。
1965年生まれ。
著書に『読むいうこと』(ひつじ書房、1997年)、『メディアの中の読者』(ひつじ書房、2002年)、『書物の日米関係』(新曜社、2007年、日本図書館情報学会賞、日本出版学会賞、ゲスナー賞)、『越境する書物』(新曜社、2011年)。
編著として『読書論・読者論の地平』(若草書房、1999年)、『モダン都市文化 デパート』(ゆまに書房、2005年)『国定教科書はいかに売られたか』(ひつじ書房、2011年)。
2007年からリテラシー史研究会を主催、同年より機関誌『リテラシー史研究』(年刊)を刊行。
大橋崇行
作家、岐阜工業高等専門学校助教。
1978年生まれ。
ライトノベルに『妹がスーパー戦隊に就職しました』スマッシュ文庫(PHP研究所、2012年)、『桜坂恵理朱と13番目の魔女』(彩流社、2014年)。小説に『ライトノベルは好きですか?〜ようこそ!ラノベ研究会』(雷鳥社、2013年)。評論に(共著)『ライトノベル研究序説』(青弓社、2009年)、『ライトノベル・スタディーズ』(青弓社、2013年)。校訂等に、山田美妙作・十川信介校訂『いちご姫・蝴蝶 他二篇』(岩波文庫、2011年11月※注釈を担当)、谷川惠一・大橋崇行校訂、解題『山田美妙集6巻』(臨川書店、2013年)。全国大学国語国文学会平成25(2013)年度「文学・語学」賞受賞(「美妙の〈翻訳〉ー「骨は独逸肉は美妙/花の茨、茨の花」の試み」(『文学・語学』206集掲載))。